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風疹の予防接種の重要性について

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予防接種は悪の手先のように嫌悪している人もたくさんいますが、免疫システムにウイルスの情報を登録するというような作業なので、嫌悪する意味がいまいち分かりません。むしろ、調べれば調べるほど予防接種は本当に大切だし、自分のためだけでなく、周りの人たちのためでもあるのだなと思った次第です。

実は、私の妻が風疹の予防接種を受けていたにも関わらず免疫が獲得できない状態で妊娠してしまい、風疹のことを調べてどのようにすればよいか考えましたので、参考になればと残します。

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先天性風疹症候群とは?

風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。具体的な内容は記載しませんが、かなり

  1. 先天性風疹症候群の頻度は妊娠週数が早いほど高い。
  2. この症候群は、症状が出ない不顕性感染でも発生する。

症状が出ない不顕性感染でも発生するということは、母親は問題なくても胎児には影響が出るということです。

発生確率は?

文献により発生確率を調べましたが、ばらつきがあります。

  • 妊娠4~6週では100%
  • 7~12週では80%
  • 13~16週では45から50%
  • 17~20週では6%
  • 20週以降では0%の確率(東北大)
  • 妊娠1か月では50%以上
  • 2か月で35%
  • 3か月で18%
  • 4か月で8%の確率(厚生労働省、NHK)

4~5ヶ月で6~8%、それ以上で限りなく0になるという認識でよいでしょう。
国立感染症研究所の文献でも、「特に妊娠初めの12週までにその可能性が高いことが認められており、調査によって25-90%と幅があります」と記載があります。

胎児の体が形成されて出来上がっていく中で障害が発生するため、体が出来上がり、器官を成長させる段階では影響は少ないのでしょう。

予防接種の重要性について

予防接種をしても免疫が獲得できない場合もあることなどもあり、実は免疫を持っていないという人って意外と多いようです。

風疹の予防接種がなぜ重要かというと「妊娠中の母親が有症状・無症状に関わらず風疹に感染すると、胎児に障害が出る」という事実があるからです。この障害は「先天性風疹症候群」と言われています。

一般に下記の傾向や注意点があります。

  • 20~30代の男性の抗体陰性率が非常に高い
    (女性は産婦人科などで予防接種を勧められる機会が複数あるため)。
  • 抗体を持たない夫や上の子が風疹を持ち込み、先天性風疹症候群が発生したケースが実際に存在する
    (これは女性も抗体を持たなかったためであるが、妊婦だけでなく周囲の感染も抑制し、環境を整えることが大切である)。
  • 妊婦はワクチンを接種できない
    (推奨されない)ので、特に抗体陰性妊婦の家族は男女を問わず風疹予防接種を受けるべきである。
  • 妊婦の家族にワクチンを予防接種しても妊婦への影響はない。
  • すでに抗体を持っている人に予防接種しても全く差し支えはない

上記のことから、抗体を持たない妊婦が居る場合、家族が出来る限り防護する必要があるということです。抗体を持つ=免疫を持つ人が予防接種しても差し支えないということから家族からの感染を防ぐということが大事なのだと思います。

妊娠後に抗体陰性or低抗体値だった場合は?

妊娠初期検査で抗体陰性または低抗体価であることがわかったら、

  1. 風疹の人ごみを避ける
  2. 家族が予防接種を受け、妊婦への感染リスクを下げる

などで対応するしかありません。いつまでその対応をするべきなのかは上述の「発生確率は?」をご覧ください。

出産後は?

出産後も他の妊婦さんを感染させる懸念などもありますので、分娩後(出産後)に風疹予防接種を受けることになります。一般に産褥早期の接種がすすめられており、予防接種は授乳中でも差し支えはありません。産褥入院中でも一ヶ月健診頃でも構わないが、接種漏れのないように注意したいところです。また、接種したら、母子手帳の産褥経過記入欄に記載すること。

また、一般的にはワクチン接種後2カ月間は避妊を指導されるが、風疹ワクチン接種後に妊娠が判明したり、避妊に失敗したりしても人工妊娠中絶をする必要はないとされている。全世界的にこれまで風疹ワクチンによる先天性風疹症候群の報告はないとのことです。

ただ、日本の医療機関ではリスクがゼロでない以上、基本的に妊婦への予防接種は避けているようです。

ワクチン接種については、胎児に影響が出る前に免疫獲得する、もしくは弱体化したウイルスを摂取するのでそもそものウイルス量が少なく影響がでないのでは?と思います。

風疹について

以下風疹について記載しています。

風疹の感染力

風疹の感染力は「インフルより強い」です。インフルエンザは1人の患者が1~3人に感染させるのに対し、風疹は5~7人と2~5倍近く強力です。(新型コロナウイルスでも話題になった患者一人が次の人に感染させる人数である基本再生産数ですね)

感染の形態

感染形態は、患者の咳や会話で飛び散る「飛まつ」感染です。飛沫で感染するという、ただでさえ移りやすい形態であるにも関わらず、感染者の15%から30%の人は症状が出ないので、一見すると健康体に見えても風疹になっている可能性があります。

今はコロナ対策でマスクなどもかなりの人数がしているので、かなりマシだとは思いますがそれでもインフルエンザの2~5倍と強力な感染力なので見くびることは避けるべきです。

風疹のワクチン予防接種、気をつけるべき人は?

妊娠可能な女性だけを対象にワクチンを接種しても、約5%は抗体が陽転せず(陽性にならず)、さらに獲得した抗体も徐々にその効果が低下します。
現在では、ワクチンの効果を高めるため、1歳と小学校入学前の2回、ワクチンを接種することになっています。しかしながら、どの世代であっても妊娠前には抗体を確認し、無ければ予防接種を必ず受けるようにしましょう。

また、世代別の危険度を以下に記載しています。この危険度は、生まれた時の予防接種の有無を元に考えていますので、適切に予防接種をしたからといって風疹の抗体が獲得できていなかったり、落ちてきたりしている場合もありますので抗体の確認や予防接種を受ける必要があります。

昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性

→昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性のみなさんは「特に注意」してください。
今の流行で患者数が最も多い年代です。中学生のときに学校で集団接種が行われていましたが、対象は女子だけでした。

昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの男女

→昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの人は「男女とも要注意」です。
この年代は、男性、女性ともに中学生のときに風疹のワクチンを接種することになりましたが、 学校での集団接種ではなく、個別に医療機関に出向いて受けることになりました。 このため男性の接種率が低く、女性の接種率も下がったのです。 また接種する機会も1回だけだったため、接種していたとしても時間の経過とともに抗体が下がっている可能性があります。

昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの男女

→昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの人は「男女とも要注意」です。
男女ともに幼児期に1回接種する機会がありましたが、接種率が低く、受けていなかったり、1回だけの接種で時間の経過とともに抗体が下がっていたりする可能性があります。

最後に

アンチワクチンの人も居ると思いますが、子供に予防接種を受けさせないのは虐待です。予防接種は医学的に効果が認められていますし、医学的(科学的)根拠に基づいた効果があるのに否定するのなら文化人ではないと思います。

子供の友達もリスクに晒すし、他の人(大人も子供も)が築き上げた集団免疫にタダ乗りして周りもリスクに晒しているということを理解しないといけないです。特に風疹は免疫が確実に獲得できるわけでもないですし、逆に免疫があって予防接種をしても害はありませんし、悲しむ人が居なくなるように適切なタイミングで予防接種は必ず受けるべきだと私は思います。

私も幼少期と15年ほど前に予防接種していますが、子供を視野に入れ始めたとき抗体チェックが面倒でしたので、予防接種を受けました。市からの補助などもありますので、お住いの市の制度を調べてみると良いと思います。

参考文献

風疹と母子感染:横浜市立大学
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/fushin0504.htm

風疹が妊婦に与える影響について:東北大学
https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_26.html

風しんについて:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html

ストップ風疹!検査と予防接種:NHK
https://www.nhk.or.jp/d-navi/stopfushin/

風疹Q&A(2018年改定):国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html

風疹に関する疫学情報:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html

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